2018/05/21
「私はくいしばりや歯ぎしりなんてしたことがない!」
そんな風に思っている人はいませんか?
実は皆さん多かれ少なかれ、必ず日常的にくいしばりや歯ぎしりをしています。
人間はストレスを発散するために無意識にこれをするとされています。
だから程度の差こそあれ、「したことがない」人などいないですが
その行為自体は必ずしも悪いことだけではありません。
ただし、以下の症状が見られる場合は、"過度に"くいしばり・歯ぎしりをしてしまっているサインです。
放置しておくと歯や歯周組織、口腔粘膜はもちろん、全身にまで悪影響を及ぼしてしまうため、ぜひチェックしてみてください。
あなたはA・B・C・D・Eのどれかに当てはまりますか?
1:歯が凍みる
2:詰め物が頻繁に外れたり壊れたりする
3:歯が摩耗している
※”摩耗”の典型的な例
・前歯の先端が欠けている、もしくは透けている
・下の前歯の先端が真っ平らで、茶色の着色が消えない
・4本ある犬歯のどれかが尖っていない
1:歯ブラシには自信があり、虫歯になったことがないのに歯周病といわれた
2:噛むと歯や歯茎が痛い
3:以前よりも歯が伸びたように感じる
1:顎関節症といわれたことがある
2:口を大きく開けられない
3:口を開けると顎が外れそうになったり、カックンと音がする
1:肩こりがする
2:偏頭痛がする
3:朝起きたときに歯やアゴが痛い
1:唇のケアをしても横ジワが消えにくい
2:口の中の頬の内側に白い線がある
3:舌のふちがギザギザしている
4:口の中に硬いコブがある
1つでも当てはまる場合、過度にくいしばり・歯ぎしりをしている可能性が高いです。
多くは就寝中もしくは日中無意識に行われており自覚が無いので
これらの症状を持つ患者さんに、よくご自身の口の中を一緒に見ながら説明をさせていただきますが
ご自分がそのような習慣を持っているとは中々信じていただけない場合が多くあります。
「家族は、私が歯ぎしりをしている音など聞いたことがないと言っています」
「私は口呼吸をしていて、朝起きる時いつも口が空いている/乾燥しているので、くいしばりなどしていないと思います」
自覚が無い原因は、音がしない歯ぎしりもあること、そしてなによりこれらが非常に短時間で行われることにあります。
くいしばりや歯ぎしりが行われる時間の平均は、起きている時で5分、寝ている時で15分だけです。
たったそれだけの短い時間ですが、過度のくいしばりや歯ぎしりが歯にかける負荷が凄まじいため、非常に大きな影響を与えてしまうのです。
皆さんが何かを食べるとき、歯にどのくらいの負荷がかかっているか知っていますか?
食べ物を咀嚼するのに最も使われるのは奥から二番目の第一大臼歯と呼ばれる歯ですが、この歯には噛む度になんと30kgから60kgもの力がかかっています。
指先ほどのサイズの小さな歯に対して、人間ひとり分の体重が乗っかっているイメージです。
しかも何かを食べている=歯と歯の間に食べ物が挟まってクッションになっている状態でこの力ですから、直接歯と歯をぶつけ合う場合はもっと強い負荷がかかってしまいます。
そんな力が例え数分でもかかり続けたら...
そうです、自分で自分の歯を壊してしまいます。
そして歯だけではなく、全身の様々なトラブルを引き起こす要因となります。
【自分で自分の歯を削ってしまい、歯へ悪影響が出ている可能性が高い】
歯が欠ける、割れる、ヒビが入る、被せ物や詰め物が外れるなどの損傷を引き起こします。
【虫歯・歯周病の誘因となっている可能性が高い】
強い力でくいしばると、歯茎に損傷が起こります。すると歯茎が腫れたり痛くなったり、歯茎と歯の間に溝ができて磨き残しが入り込み落とせないために歯周ポケットができたりしてしまいます。
歯ブラシが上手なのに歯周病になってしまう人は、くいしばりが原因となっている可能性が高いのです。
虫歯も同じで、歯の根元に損傷が起き磨き残しが付着したまま数日経過すると、虫歯になってしまいます。
【顎へ悪影響を及ぼしている可能性が高い】
強い圧により顎関節が疲労し、慢性的に筋肉に炎症が起きている状態になるので、口を動かす筋肉が固くなって口が開きにくくなり、話すこと食べることに支障がでてきます。
肩が凝る、偏頭痛がする、腰が痛い、整体に行っても何だかスッキリしない。
そんな違和感があれば、それは口からの影響かもしれません。
季節問わず唇に横ジワがあったり唇がよく切れるのは、寝ている間に唇を噛んでしまっている影響かもしれません。
頬の内側を噛んで、歯型の白い線がついてしまっている方。陰圧がかかり舌の淵がギザギザになしまっている方。そんな方は、常に口の中に傷がついてしまっている状態で、口内炎が治りにくいなどの弊害を感じていらっしゃると思います。
また口の中にあるコブは骨隆起と呼ばれ、圧力がかかることで骨がキノコのようにニョキニョキと隆起したものです。これが大きくなると、本来舌を置く場所が占有されてしまい、発音障害などを引き起こしてしまうこともあります。
以上のセルフチェックでどれか一つでも当てはまった方は、歯科医院での相談をお勧めします。
歯を失う原因の多くは、皆さん良くご存知の虫歯や歯周病、そして咬合性外傷です。
咬合性外傷とは、くいしばりや歯ぎしりによって起こる外側からの傷なのです。
外傷を負った結果、虫歯や歯周病になる可能性が高いため、日本の歯科医療ではその原因を緩和し歯の機能を守るためにマウスピース(ナイトガード)治療を推進しています。
近年このマウスピースの需要が高まっており、遠藤歯科医院でも積極的に活用しています。
患者さんに、検診の度に使用しているマウスピースを持参していただき、マウスピースの損傷具合を記録し、強くダメージを受けている歯のメンテナンスに重点を置いています。
そしてマウスピースを作るだけではなく、作ったあとも継続的に患者さんと一緒にその状態を見ていくことによって、自分の口の中で何が起こっているかに関心を持ってもらい、ご自身でメンテナンス方法を習得していただくことに取り組んでいます。現時点でマウスピースは保険で作れる最大の防具となっています。
そして過度なくいしばりや歯ぎしりを行っているようであれば、ご自身の歯型にしっかりと合ったマウスピース(ナイトガード)を着用することは非常に有効な対策となります。
予防歯科の観点から現在の歯の機能を守り、口内/全身の健康を維持しましょう!
茅ヶ崎の歯医者さん 遠藤歯科医院WEBサイト TOPページへ